伝送路(FTTH化)改修工事負担金14.8億円は「補助金」でもない!

 

伝送路(FTTH化)改修工事負担金が補助金である場合の考え方

■ 補助金の法的根拠(地方自治法第232条の2)

地方自治法第232条の2では、

「地方公共団体は、公益上必要がある場合においては、寄附または補助をすることができる」
と定められています。

つまり補助金とは、地方公共団体が公益上の必要性を認めた場合に、見返り(反対給付)を求めずに支出するお金を指します。


■ 「公益上必要」とは

「公益上」とは、社会全体の利益や公共の福祉に関わることを意味します。
特定の個人や企業に利益をもたらすのではなく、多くの住民にとって有益な目的や活動であることが求められます。

「必要」とは、その事業を行わなければ目的が達成できない、あるいは生活や行政サービスの提供に支障が生じるような状態を指します。


■ 補助金制度の一般的な流れ

  1. 目的・政策の設定
     (何のために補助金を出すのかを明確にする)

  2. 補助金要綱の作成
     (対象者・補助率・申請手続きなどを定める)

  3. 予算・年度計画との整合
     (市の年間予算に組み込み、議会の承認を得る)

  4. 募集・申請受付
     (申請者が提出)

  5. 審査・交付決定
     (市が内容を審査し、補助金交付を決定)

  6. 実績報告・支払い
     (事業完了後の報告・確認を経て支出)

  7. 検証・見直し
     (制度や効果を評価し、改善を図る)


■ 関連する法令

  • 地方自治法第2条第14項
     > 「地方公共団体は、その事務を処理するに当たっては、住民の福祉の増進を図るとともに、最小の経費で最大の効果を挙げるようにしなければならない。」

  • 地方財政法第4条第1項
     > 「地方公共団体の経費は、その目的を達成するために必要かつ最小の限度をこえて、これを支出してはならない。」

この2つの条文は、税金の使い方に無駄があってはならないという基本原則を定めています。


■ CATV伝送路(同軸→光ケーブル)改修工事の公益性について

御前崎市のCATV事業は、もともと地上デジタル放送の難視聴対策として行われてきました。
施設設置から15年が経過し、老朽化や機器の入手困難が生じたため、光ケーブル(FTTH)方式への改修工事が行われました。
CATVの市内普及率は約70%です。

しかし、この工事が「公益上必要」と言えるかどうかについては検証が必要です。


■ 改修工事の必要性の検証

御前崎市内では、すでにNTTなどの通信事業者が光ケーブルを敷設しており、
「光テレビ」などを通じて地デジ放送を視聴できる環境が整っています。

さらに、NTTのダークファイバー(未使用の光ファイバー)を活用すれば、
新たに伝送路を敷設するよりも安価に整備できた可能性
があります。

また、行政サービスである「音声告知放送」は、FMラジオ放送で代替可能です。
実際に、掛川市などではFM方式で運用されています。

したがって、通信事業者の既存光回線やFM放送などの他の手段を活用すれば、
今回のFTTH化工事は必ずしも必要ではなかった
と考えられます。


(注)ダークファイバーとは

通信事業者が敷設した光ファイバーのうち、まだ使用されていない余剰の光回線を指します。
これを他の事業者が借り受けて利用することで、新たな設備投資を抑えられます。

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