株式会社御前崎ケーブルテレビのサクセスストーリー
株式会社御前崎ケーブルテレビのサクセスストーリー
ケーブルテレビ会社は自治体が出資の第三セクター経営が多く、赤字経営が多い。株式会社御前崎ケーブルテレビは御前崎市が出資の第三セクターですが毎年利益を出して資本金5500万円でスタートした会社は今や自己資本が5億円超の会社に成長した。
そのカラクリは次の通りです。
1. 公共インフラを活用した利益創出
御前崎市が所有するCATV施設を活用し、株式会社御前崎ケーブルテレビは指定管理者として施設管理を受託。市の公的資産を利用しながら、運営利益を確保する体制を確立。
2. 自社収入の確保
平成19年、御前崎市はケーブルテレビ事業に関する条例を改正した。
改正前は、ケーブルテレビの加入料(1世帯あたり月額約2,600円、年間総額約2億円以上)は御前崎市の収入として計上されていた。
しかし、改正後はこの加入料収入が全額、株式会社御前崎ケーブルテレビ(以下「ケーブルテレビ社」)の収入となった。
その結果、ケーブルテレビ会社はCATV施設を所有していないにもかかわらず、加入料収入だけを得られる事業構造となり、利益率は大幅に上昇した。
さらに同社は、御前崎市から施設管理業務を受託して受託収入を得つつ、並行して加入料収入も得ていたことになる。
もしケーブルテレビ会社が受託収入に見合った経営を行い、加入料収入を全額利益準備金として積み立てていれば、平成31年時点で20億円以上の積立金を保有できた計算になる。
3. インターネット接続事業の展開
CATV施設を活用し、独自事業としてインターネット接続サービスを開始。電気通信事業者としての登録を行い、本来ならば市から公正な価格で施設の賃貸借契約を結ぶ必要があるが、その価格設定には疑問。
4. FTTH化の推進
インターネット事業の競争激化に伴い、御前崎市にFTTH(光ファイバー)化の必要性を訴え、平成31年4月、工事負担金を市に負担させる契約を締結。負担総額14.8億円。
5. 施設取得と税制メリットの活用
(株)御前崎ケーブルテレビが発注し、FTTH伝送路を15.5億円で取得。 御前崎市が負担した工事負担金を補助金と位置付け、法人税法42条を適用して圧縮記帳を実施。結果として、取得資産15.5億円が4.8億円に圧縮され、自己資本比率が向上。 さらに、圧縮記帳により固定資産税の負担が4分の1に軽減される仕組みを構築。御前崎市からすれば、負担金の支払いと固定資産税減収となる、全く馬鹿げた契約を結んだものだ。
6. 施設維持費と市の負担増加
FTTH化工事前後で御前崎市が事業主体のCATV放送サービスには変化なし。しかし、(株)御前崎ケーブルテレビの独自事業(インターネットサービス)の性能は10倍以上向上。 結果として、資金をほとんど持たない(資本金5500万円)指定管理者が10億円以上の資産を所有し、自己資本5億円の電気通信事業者へと成長。
7. 公的資金の流出
御前崎市は、(株)御前崎ケーブルテレビの競争力向上のために、施設維持費を含め14.8億円を補助金として支出。結果として、市の公的資産が(株)御前崎ケーブルテレビの成長のために使用され、税金の適切な運用が問われる状況となっている。
8. サクセスストーリーの本質
一般的なケーブルテレビ会社はCATV施設を自社で所有するが、御前崎市の場合は指定管理者制度を活用することで、ほぼ資金を持たずに事業を成長させることに成功。
電気通信事業者として、施設の所有または公正な価格での賃貸借契約が必要とされるが、その適正性には疑問が残る。
御前崎市の公的資産を最大限に活用し、(株)御前崎ケーブルテレビは最小の資本で事業拡大を実現した。
一方で、市民の税金が適切に活用されているのかという疑問が残る。御前崎市はケーブルテレビ事業に既に100億円近く税金を注ぎ込んでいる、と総務部長の議会発言があった。
御前崎市は、ケーブルテレビ会社を親会社に持つ行政機関のように見える。税金を市民のために使うのではなく、親会社へ貢いでいるかのようだ。こんなことが許されるはずはなく、そろそろ年貢の納め時だ。
興味深く記事を拝見しています。
返信削除5. 施設取得と税制メリットの活用のところで、 さらに、圧縮記帳により固定資産税の負担が4分の1に軽減される仕組みを構築との記載がありますが、市税である固定資産税には、圧縮記帳は適用されないと認識していますがいかがでしょうか。
コメントありがとうございます。仰る通り圧縮記帳は法人税には適用できますが、固定資産税には適用できないようです。私の誤りです。大変失礼しました。
削除ブログの内容が真実だとすると、法人税脱税の疑いはないですか?
返信削除ケーブルテレビ会社は市から伝送路改修工事負担金を補助金として受け取っていることを税務署から認められれば、法人税法第42条を適用して圧縮記帳が可能になりますので脱税ではないと思います。税務署からすれば、圧縮記帳によって納税額が繰延される(初年度の多額の納税が次年度以降へ平準化)ことになり、総納税額とすれば変わりなしということだと思います。国が補助金を支給する場合、企業は補助金によって元気になり、支給された補助金は税収で回収できるといった論理だと思います。ところが、御前崎市のような地方自治体が補助金を支給する場合は、市は支給した補助金を法人税では回収できません。市が支給した補助金で、企業は元気になり、国への法人税が増す効果があるということだと思います。
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